2023年の試験問題はコチラ。「禁無断転載」とありますので、問題文は載せられませんが、試験の解答と解説を行っていきます。
※この解説は、個人が作成したものであり、公式のものではありません。そのため、内容に誤りが含まれている場合があります。もし間違いを見つけた場合は、「お問い合わせ」フォームからご連絡ください。
第10問
ア-正答:②
(a)誤り:公営住宅制度が発足した当初(戦後間もない時期)は、主に住宅不足を解消することが目的であり、高齢者や障害者向けの特別な配慮はほとんど行われていませんでした。高齢者や障害者向けの設備が意識されるようになったのは、1980年代以降であり、「制度発足当初から」という記述は正しくありません。
(b)記述通り:障害者世帯に対しては、入居資格となる収入基準が緩和されることがあります。これは、生活上の制約を考慮し、より多くの人が公営住宅を利用できるようにするための措置です。
また、公営住宅の選考において、障害者世帯や高齢者世帯は「優先入居枠」や「別枠選考」が設けられる場合があります。これにより、障害者世帯の入居機会が確保されやすくなっています。
【参考】国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000096.html
(c)記述通り:公営住宅と福祉施策の連携を強化するために、福祉施設を併設することが可能です。これにより、高齢者や障害者が日常生活で必要な福祉サービスを受けやい環境が整備されます。
・障害者福祉ホーム: 障害者の生活支援や就労支援を行う施設。
・デイサービスセンター: 高齢者が日中に利用できる介護サービス施設。
・グループホーム: 認知症高齢者や障害者が共同生活を送りながらケアを受ける施設。
(d)誤り:「フラット35」の金利優遇制度は住宅金融支援機構が独自に定めた基準に基づいているため、介護保険制度とは切り離して考える必要があります。
(a)×、(b)〇、(c)〇、(d)×で、②の組合せが正解となります。
イ-正答:②
①記述通り:生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯や障害者世帯、高齢者世帯を対象に、生活の安定や自立を支援するために必要な資金を貸し付ける仕組みです。都道府県社会福祉協議会が実施主体となり、市区町村社会福祉協議会が窓口業務を担当します。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1/index.html
②誤り:障害者雇用納付金制度は、事業主が法定雇用率を達成するために、雇用促進を図る目的で設けられた制度です。この制度では、障害者を一定数以上雇用する事業主に対して助成金が支給される一方、法定雇用率を下回る事業主には納付金を課します。助成金は職場環境の整備(例えば、施設のバリアフリー化や福祉機器の導入)を支援するものであり、住宅の確保や住宅手当に関する助成は含まれていません。
【参考】独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 https://www.jeed.go.jp/disability/koyounohu/index.html
③記述通り:障害者総合支援法は、障害者が地域社会で自立した生活を送るための支援を提供する法律です。なお、地域生活支援事業は、都道府県や市町村が主体となり、障害者の自立支援を目的に実施されています。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/03.pdf
④記述通り:共生型グループホームは、障害者や高齢者などが、地域社会とのつながりを持ちながら生活する集合住宅で、必要に応じて個別のケア(サポート)が提供されます。具体的には、障害者と一般住民が同じ敷地内または隣接するエリアで生活する形態が多く、地域住民との交流や役割分担を通じて、生きがいや社会参加を目的としています。
ウ-正答:④
①誤り:平面図の定義は正しいですが、福祉住環境コーディネーターの活用に限らず、平面図は建物の中の空間やレイアウト(壁、ドア、窓、家具の配置など)を確認するために使われます。
屋根形状については、屋根伏図(ふせず)を用いるのが一般的です。
②誤り:断面図は建物の外観を示す図面ではありません。建物を垂直に切断し、その切り口から内部の構造を示したものです。
設問にある、建物の外観を横から見た壁面の姿を示すものは、立面図です。
③誤り:屋根伏図は屋根の形状や配置を把握することが主目的であり、天井の高さや内部構造に関する情報は含まれていないため、天井走行式リフトの設置に必要な天井高さを確認することはできません。天井走行式リフトの設置を考えるには、断面図や天井伏図が必要になります。
④記述通り:読解力を活用して矛盾点を見抜く力や、適切な情報を選ぶ論理的思考力があれば、①~③の詳細が分からなくても、何となく解けてしまう問題ですね…。
エ-正答:④
①誤り:2022年のデータによると、「現在の要介護度別にみた介護が必要となった主な原因」は
・第1位:認知症16.6%
・第2位:脳血管疾患(脳卒中)16.1%
・第3位:骨折・転倒13.9% となっています。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/05.pdf
②誤り:関節リウマチは、関節に炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こす病気です。進行すると関節が変形したり、動かしづらくなることがあります。この病気は「膠原病」の一種で、免疫機能に異常が起き、自分の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。
日本では関節リウマチの患者数は約82.5万人と推定され、特に女性に多く、男女比は1:3.2です。主に40~60歳で発症することが多いですが、最近では高齢で発症する人も増えています。高齢者の場合、男女差は小さくなり、男女比は1:2~3程度になります。
【参考】日本リウマチ学会 https://www.ryumachi-jp.com/jcr_wp/media/2022/03/life_1-1.pdf
③誤り:本では、糖尿病の約95%が2型糖尿病であり、1型糖尿病は全体の約5%以下にとどまります。
1型糖尿病の特徴は、膵臓のインスリン分泌機能が障害され、インスリンがほとんど分泌されない(絶対的に不足する)タイプです。主に免疫系の異常が原因で、小児や若年者に多く見られます。
2型糖尿病は、インスリンの分泌量や分泌タイミングが不十分だったり、インスリンの効果が十分に発揮されない(インスリン抵抗性がある)ことで発症します。主に中高年以降に多く、肥満や生活習慣が大きく関与します。
【参考】国立研究開発法人国立国際医療研究センター https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/010/010/01.html
④記述通り
【参考】日本心臓財団 https://www.jhf.or.jp/check/opinion/category/c4-1/