福祉住環境コーディネーター1級 2023年【前半】試験_第11問

2023年

2023年の試験問題はコチラ。「禁無断転載」とありますので、問題文は載せられませんが、試験の解答と解説を行っていきます。

※この解説は、個人が作成したものであり、公式のものではありません。そのため、内容に誤りが含まれている場合があります。もし間違いを見つけた場合は、「お問い合わせ」フォームからご連絡ください。

第11問

ア-正答:×

誤り:厚生労働省の「人口動態統計(確定数)」(2022年)によると、家庭内での不慮の事故による死亡者数は15,673人でした。これは交通事故による死亡者数(3,541人)の約4.4倍にあたります。
家庭内の死亡事故の約9割は高齢者が占めており、65~79歳が31.2%、80歳以上が57.5%となっています。死因で最も多いのは「不慮の溺死及び溺水」で、家庭内事故の約4割を占めます。次いで、「その他の不慮の窒息」「転倒・転落・墜落」となります。
【参考】公益財団法人 生命保険文化センター https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/8478.html
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/gaikyouR2.pdf

イ-正答:〇

記述通り国際生活機能分類(ICF)は、障害の分類だけでなく、リハビリテーションや福祉政策の立案、障害者支援の評価指標としても利用されます。以前の国際障害分類(ICIDH)では、障害を「欠陥」「能力低下」「社会的不利」という視点で分類していましたが、ICFではより前向きな視点で「生活機能」という概念を採用しています。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html

ウ-正答:×

誤り:脳卒中モデルのような急性期リハビリテーションは、発症直後から開始されるのが一般的であり、できる限り早期に開始することで廃用症候群の予防や回復を早める効果があります。
なお、高齢者リハビリテーションの3つのモデルは、
 ・脳卒中モデル: 主な対象疾患は脳卒中骨折など、急激な身体機能の低下を伴うもので、発症直後からの適切なリハビリテーションが重要となる。
 ・廃用症候群モデル: 病気や入院などにより身体を動かさない期間が続き、筋力低下や関節拘縮、心肺機能の低下などが生じるタイプで、高齢者が介護を必要とする主要な要因の一つ。病気やけがの治療中であっても、可能な範囲で体を動かすことが推奨される。
 ・認知症高齢者モデル: 主に認知症(アルツハイマー型認知症、血管性認知症など)が対象で、記憶や思考力の低下が日常生活動作(ADL)の障害につながる。認知症の進行を遅らせるため、記憶や注意力を刺激するためのトレーニングやレクリエーションを実施する。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kaigi/040219/sankou28.html

エ-正答:〇

記述通り:SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」は、貧困や不平等をなくし、全ての人が尊厳を持って生活できる世界を目指す考え方で、ユニバーサルデザインインクルーシブデザインの理念と一致しています。
 ・ユニバーサルデザイン: 年齢や障害の有無に関わらず、誰もが使いやすい設計。
 ・インクルーシブデザイン: 社会的に疎外されがちな人々を含めた設計。

オ-正答:〇

記述通り:民生委員は、厚生労働大臣が委嘱する非常勤の地方公務員で、地域住民の福祉増進を目的とした活動を行います。なお、民生委員は、無報酬(ボランティア)で活動を行います。ただし、活動に伴う経費の一部が支給される場合があります。

カ-正答:〇

記述通り:インフォーマルサービスの提供者とは、地域住民や家族、ボランティアなど、個人や地域の善意に基づいて活動する人々です。福祉の現場では、インフォーマルサービスとフォーマルサービス(公的サービス)を連携させることで、より包括的な支援を提供することが目指されています。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001093789.pdf

キ-正答:〇

記述通り:日本住宅性能表示基準では、床面の段差が5mm以下であれば日常生活における危険性が低く、ほぼ問題ないとされています。一方、施主が完全な段差解消を期待している場合もあるため、正確に基準を伝えることが重要です。
【参考】国土交通省 https://www.mlit.go.jp/common/000052960.pdf

ク-正答:×

誤り:Bは引き分け戸あるいは、両引き戸と言われる形式です。

ケ-正答:×

誤り:入り口に段差のないユニットバスは、一般的に洗面・脱衣室への水の浸入を防ぐ工夫が施されていますが、設計や施工が不十分な場合には排水が滞るリスクがあります。また、「入り口部分だけを交換すること」は水仕舞いなどを考えると、あまり積極的には行われません。

コ-正答:〇

記述通り:バリアフリー法では、地方公共団体が地域の実情に応じて、独自に条例を制定し、整備対象の範囲や内容を拡大することが認められています。
【参考】国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001426987.pdf

サ-正答:×

誤り国際シンボルマーク(いわゆる「車いすマーク」)は、障害のある人でも利用できる施設や設備を示す記号であり、ユニバーサルデザインの考え方を象徴しています。トイレ、駐車場、エレベーターなどで多く使用され、障害者が安心して利用できる環境を提供するための目印となります。

シ-正答:×

誤り:厚生労働省の同調査によると、在宅で生活する身体障害者手帳所持者のうち、65歳以上の高齢者が多くを占めています。生産年齢人口(15歳~64歳)は3割程度であり、年少人口(15歳未満)はさらに少数です。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/seikatsu_chousa_b_h28.pdf