福祉住環境コーディネーター1級 2022年【前半】試験_第10・11問

2022年

2022年の試験問題はコチラ。「禁無断転載」とありますので、問題文は載せられませんが、試験の解答と解説を行っていきます。

※この解説は、個人が作成したものであり、公式のものではありません。そのため、内容に誤りが含まれている場合があります。もし間違いを見つけた場合は、「お問い合わせ」フォームからご連絡ください。

第10問

設問(1)-正答:③

(a)記述通り:介護保険制度(2000年施行)の導入を契機に、「ユニットケア」という新しいケアの考え方が普及しました。10人前後の小規模グループを1つのユニットとし、専用のリビングや食堂、浴室などを備えた空間を設けることで、入居者同士がなじみの関係を形成しやすい環境を提供します。

(b)記述通り

(c)誤り:一部の施設では、地域ニーズや費用負担を考慮して多床室も引き続き導入されています。

(d)誤り:2010年に、個室の面積が13.2㎡から10.65㎡に緩和された。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000136593.pdf

(a)〇、(b)〇、(c)×、(d)×で、③の組合せが正解となります。

設問(2)-正答:①

誤り:公営住宅及びUR賃貸住宅は平成3年度から、公社住宅は平成7年度からバリアフリーを標準仕様としています。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/02/dl/s0227-8au.pdf

記述通り
【参考】住宅金融支援機構 https://www.flat35.com/loan/flat35s/tech_plan.html

記述通り
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1/index.html

記述通り
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/03.pdf

設問(3)-正答:④

(a)誤り:1/15が3.8度、1/12が4.8度、1/10が5.7度です。

(b)記述通り:建築基準法施行令の第二十二条に定められています。
【参考】e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338

(c)誤り:滑りやすい加工が施されたスロープは、転倒リスクを高めます。そもそも、スロープは滑って使うものではありません。

(d)記述通り

(a)×、(b)〇、(c)×、(d)〇で、④の組合せが正解となります。

設問(4)-正答:④

記述通り:カラーテープや介助器具の使用は、実際のリハビリや福祉住環境の整備で広く行われている方法です。

記述通り:ADL(基本的日常生活動作)は食事、着替え、排泄、入浴など、日常的な基本動作で、IADL(手段的日常生活動作)は買い物、家事、電話対応など、社会的活動や手段的な動作を指します。

記述通り:パーキンソン病では、運動機能の低下や動作のぎこちなさ、同時に複数の動作を行うことが難しくなる「デュアルタスク困難」がよく見られます。

誤りピサ症候群はパーキンソン病の一部の患者に見られる症状で、体幹が一側に傾き、姿勢のバランスを取るのが難しくなる姿勢異常の一種です。

第11問

設問(1)-正答:〇

【参考】国立社会保障・人口問題研究所 https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2023RE.asp?fname=T05-26.htm
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-04.html
【参考】公益社団法人 生命保険文化センター https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1117.html

設問(2)-正答:×

脊髄損傷の症状は、損傷部位によっておおむね予測が可能です。
 ・頸髄の上部(C1〜C4):四肢麻痺、呼吸筋麻痺を伴い、ADLは全介助が必要。
 ・胸髄(T1〜T12):下肢麻痺を生じ、上肢は機能するため、車椅子での自立が可能な場合がある。
 ・腰髄(L1〜L5):下肢の部分的麻痺。歩行補助具を使用して自立可能なケースも多い。
このように、損傷位置と障害の程度には一定の対応関係があるため、状況を予測することは十分可能です。
なお、ADL(Activities of Daily Living)とは、日本語で「日常生活動作」を意味します。
人が日常生活を送るために基本的に必要な身体的動作を指し、介護やリハビリテーションの分野で広く使用される概念です。

設問(3)-正答:〇

【参考】地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター https://www.tmghig.jp/hospital/diseases/noseandears/noseandears1/

設問(4)-正答:×

日本の総人口は、令和5年10月1日現在、1億2,435万人となっています。65歳以上の人口は、3,623万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は29.1%です。
なお、高齢化率とは、総人口に占める65歳以上の人口の割合を指し、高齢化の度合いを示す指標です。高齢化率は、世界保健機構(WHO)や国連によって、次のように段階分けされています。
 ・65歳以上の人口が7%を超える:高齢化社会
 ・65歳以上の人口が14%を超える:高齢社会
 ・65歳以上の人口が21%を超える:超高齢社会
【参考】内閣府ホームページ https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf

設問(5)-正答:〇

【参考】全国民生委員児童委員連合会 https://www2.shakyo.or.jp/old/pdf/zenmin_summary/saigaijishishin2.pdf

設問(6)-正答:〇

脳の病変・老化、生活習慣、食事が認知症リスクに大きく影響することは、疫学研究の成果として広く認識されています。
【参考】公益財団法人長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/chouki-judan-ekigaku-kenkyu.html

設問(7)-正答:×

屋根の形状を把握し、増築時の屋根のかけ方を検討するのは、主に建築士が担う業務であり、福祉住環境コーディネーターの通常業務の範囲からは外れます。

設問(8)-正答:×

柱の移動は建物全体の構造に大きな影響を与えるため、補強なしに耐震性能を確保することは一般的に不可能です。柱を移動すると、荷重の伝達経路や構造バランスが変わるため、筋交いや梁の補強が必要になる場合がほとんどです。

設問(9)-正答:〇

図Aでは、3枚引き戸を使用することで広い有効開口を確保していますが、引き戸部分には手すりを設置できません。そのため、出入り口からシャワー水栓へ歩く際に、手すりを利用することができません。

設問(10)-正答:〇

 【参考】首相官邸ホームページ https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tokyo2020_suishin_honbu/ud2020kkkaigi/pdf/2020_keikaku.pdf

設問(11)-正答:〇

【参考】国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000049.html

設問(12)-正答:×

サービス付き高齢者向け住宅は、基本的に自立した生活が可能な高齢者や要支援者が多く、平均要介護度は他の介護施設よりも低いです。