福祉住環境コーディネーター1級 2023年【前半】試験_第2問

2023年

2023年の試験問題はコチラ。「禁無断転載」とありますので、問題文は載せられませんが、第4問から第7問までの解答と解説を行っていきます。

※この解説は、個人が作成したものであり、公式のものではありません。そのため、内容に誤りが含まれている場合があります。もし間違いを見つけた場合は、「お問い合わせ」フォームからご連絡ください。

第2問

ア-正答:④

誤り:福祉六法は、
 生活保護法(1950年)
 児童福祉法(1947年)
 母子及び父子並びに寡婦福祉法(1964年、1981年から現名称)
 老人福祉法(1963年)
 身体障害者福祉法(1949年)
 知的障害者福祉法(1960年、1999年から現名称) の6つの法律。
児童福祉法や、身体障害者福祉法の施行年から判断すると、1950(昭和25)年の社会保障制度審議会「社会保障制度に関する勧告」を受け、順次制定された福祉六法…という説明に若干違和感がありますが、その部分ではなく、後半の「地域社会との接点を踏まえた在宅福祉サービスの整備」が誤りです。
正しくは「入所施設を中心にした福祉サービスの整備」です。在宅型福祉の回帰は、比較的近年の考え方になります。

誤り:法律の第1条には、一般的にその法律の目的基本理念が記載されていて、1951(昭和26)年に制定された社会福祉事業法の第1条も「この法律は、社会福祉事業の全分野における共通的基本事項を定め、(中略)社会福祉を目的とする法律と相まつて、社会福祉事業が公明且つ適正に行われることを確保し、もつて社会福祉の増進に資することを目的とする。」となっています。
設問の「社会福祉事業は地域住民を主体として推進する」という記述は、社会福祉事業法の中にはありません。

誤り:「特定非営利活動促進法(NPO法)」は1998(平成10)年に施行されました。

記述通り
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/c-fukushi/index.html

イ-正答:③

①②④記述通り
【参考】災害対策基本法 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223/

誤り:「指定避難所」とは、災害の危険性があり避難した人や、災害により自宅に戻れない人が滞在する施設でで、災害が一段落した後に、臨時的に生活する場所として利用されます。
設問の「津波警報や洪水警報が発出され危険が切迫しているときに、とりあえず命を守るために逃げる施設や場所」は、「指定緊急避難場所」です。前者は「避難」なのに対して、後者は「避難場所」となっており、微妙な言葉の使い分けがされています。
【参考】内閣府 https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h27/honbun/1b_1s_02_02.html

ウ-正答:①

(a)記述通り:生存する個人を特定できる情報が「個人情報」に該当します。
ただし、死者に関する情報であっても、遺族などの生存する個人に関する情報である場合は、個人情報として法の保護の対象となります。たとえば、死者の相続財産等に関する情報は、死者に関する情報であると同時に、遺族に関する情報である場合があります。
【参考】個人情報保護委員会 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/

(b)誤り:要配慮個人情報の第三者提供には原則として本人の同意が必要です。個人情報保護委員会への届け出だけで同意を得ずに提供することは認められていません。

(c)記述通り:「個人情報保護法」により、利用目的の範囲外での個人情報利用は原則として禁止されていますが、生命や財産の保護のために必要な場合など、例外的に本人の同意がなくても利用が認められることがあります。

(d)誤り:「社会福祉士及び介護福祉士法」では社会福祉士および介護福祉士に守秘義務を課しています。

(a)〇、(b)×、(c)〇、(d)×で、①の組合せが正解となります。

エ-正答:①

記述通り:国立長寿医療研究センター等の研究から、日本の高齢者が過去25年間で身体機能が向上していることが報告されています。現在の前期高齢者(65~74歳)は、健康度が高く、社会的活力もあるため、老人とは呼べない集団として形成されているという記述は、現状を反映して適切です。
【参考】国立長寿医療研究センター https://www.ncgg.go.jp/ri/advice/49.html

誤り:女性の方が骨密度の減少や骨粗鬆症のリスクが高い傾向があります。

誤り:少し設問の日本語が判りにくいですが、「日常生活動作(ADL)」に障害があっても「生活の質(QOL)」を低下させないというケースは、慢性疾患みたいな状態が考えられます。一方、「老年症候群」は、高齢者に特有の症状や状態(例えば転倒、認知症、尿失禁など)を指し、ADLやQOLに影響を与えます。
【参考】健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/rounensei-shokogun.html

誤り:ホーソン効果とは、被験者が観察されていることを意識することで行動が変化する現象を指します。微妙な言い回しの違いですが、参加していることを知っているために良い結果を出そうとするものではありません。