基礎梁の配筋について
建物を支える基礎。その基礎の梁部分が基礎梁です。地中梁とも言います。
基礎梁の鉄筋は主に以下の種類に分かれます。
- 主筋(上端筋と下端筋): 梁の中央部に配置され、引っ張り力に対して強度を提供します。
- あばら筋(せん断補強筋): 梁のせん断力に対する補強を担当します。
- 腹筋: 梁の中央部に配置され、圧縮力に対して強度を提供します。
これを踏まえて、下の部材リストを見て下さい。
符号の「FG〇」はFoundation Girderの頭文字“F”と“G”。その後の数字は適宜振られます。
位置については、「全断面」以外に、「中央」「端部」といった分類がありますが、ここでは説明を省きます。今回はとりあえず端から端まで、「全断面」同じ配筋要領という事です。
続くB×Dというのが梁幅(横幅)と梁成(高さ)になります。梁成は「はりせい」と読みます。
その後が、主筋の上端筋と下端筋、“助”みたいな漢字ですが、にくづきの“肋”筋と書いて「あばらきん」、腹筋は「ふっきん」ではなく「はらきん」です。
あばら筋は“スターラップ”や“STP”とも表記されます。
鉄筋の配置について
では、これらの鉄筋が実際に配置されるとどうなるのでしょう?
イメージが湧きますか?
例えば「FG1」を3次元モデルにすると、下のようになります。(マウスで動かせます)
ここまでは、割と簡単にイメージ出来ると思います。
しかし、抜けているものがあります。
それが「巾止筋(はばどめきん)」です。部材リストの上の方に※で書かれています。
腹筋を固定するように1,000mm以内で配置していきます。
下の3次元モデルで追加された赤色の横材が巾止筋です。
巾止めの効果が、より得られるように同じ位置ではなく、少しずらして設置するのが一般的です。
実際の設置について
さて、3次元モデルで見ると何となく理解できた気になりますが、鉄筋は浮かせた状態で配置する事は出来ませんので、「キソエース」などの“梁受け架台”が必要になります。
捨てコンの上に、この梁受け架台を固定して、上端筋を支えます。
上端筋が支えられれば、あばら筋によって下端筋や腹筋も固定出来ます。
真ん中のシルバーのものが架台です。上端筋を支える為の鉄筋(緑色に見える横材)は「かんざし筋」と言って、構造的な役割はありません。「段取り筋」と呼ばれる、現実的な施工の為だけに用意する部材です。