BIMにおける世界と日本の格差については、以下のような点が指摘されています。
世界におけるBIMの状況:
- 普及率: 欧米を中心に、特に英国、北欧諸国、米国では政府によるBIM導入の推進が行われており、高い普及率を誇ります。英国では、公共建築プロジェクトにBIMの使用が義務付けられています。
- 基準と規格: 英国のPAS 1192や米国のNBIMSなど、BIMの標準化に向けた取り組みが進んでおり、国際標準ISO 19650も発行されています。
- 教育: 多くの国でBIM教育が大学や専門学校のカリキュラムに組み込まれており、専門家を育成する体制が整っています。
日本におけるBIMの状況:
- 普及率: 日本では、BIMの普及が欧米に比べて遅れていると言われています。ただし、最近では政府のi-Construction政策により、BIMの導入が進められています。
- 基準と規格: 日本独自のBIMガイドラインがありますが、国際標準との整合性を図る必要があるとの指摘があります。
- 教育: BIM教育は徐々に普及してきてはいますが、まだ十分ではないとされており、実務でのBIM使用経験者も欧米に比べて少ないです。
格差の原因:
- 投資とROIの認識: 日本では、初期投資が高いとの認識や、その投資に対するリターン(ROI)が見込めるかどうかの不透明さが普及の障壁となっていることがあります。
- 法規制と推進体制: 日本では建築業界における法規制や体制がBIMの導入を促進するように整っていない側面があります。
- 企業文化: 日本特有の企業文化や職人文化が、新しい技術の導入に対する抵抗感を生んでいる場合もあります。
これらの点は、国によって異なるBIMの導入状況や推進における課題を表しており、日本でも今後さらなる普及が期待されています。