基礎配筋

施工関連

基礎配筋について

基礎躯体全体を指して「基礎」という事も多いですが、ここでは杭の上のマスコンクリートで「フーチング(短縮して“フーチ”とか“フーチン”とも言われます)」の事として話を進めます。
下のイメージ画像の赤丸の部分が「基礎(フーチング)」です。

「基礎」の配筋は下のリストのような要領になります。
符号の「F〇」はFootingの頭文字の“F”です。

基礎梁(地中梁)の配筋要領とは、だいぶ違う表現で書かれています。

今回、上部躯体はS造(鉄骨造)を想定していますので、基礎配筋の解説の前に、杭頭処理やアンカーフレームについて簡単に紹介します。

薄い青のメッシュを掘削面とし、砕石・捨てコンがあり、杭頭が出ている状態が下の絵です。
基礎のリスト図から、杭頭は捨てコンより250mm飛び出している形になります。

杭と基礎を定着させる為に、杭頭補強筋を杭に取り付けます。
杭にも様々な種類があるのですが、ここでは直径500mmのSC杭で、開先付き異形棒鋼(NewJ-BAR)の32mm径を10本、杭頭補強筋として溶接する仕様を想定します。(下のリストを参照)

溶接が完了した様子が、下の絵です。

S造の施工は、鉄骨柱の位置を決めるアンカーボルトの精度がモノを言います。
このアンカーボルトを固定する為の架台を「アンカーフレーム」といい、現場に合わせて鍛冶工が作る事もあれば、「ベースパック(旭化成建材と岡部の共同開発)」や、「ハイベース(センクシア)」などの既製品を使う事もあります。

下の絵はハイベースNEOのGB型式を配置したイメージになります。
赤矢印部分は「テンプレート」といって、実際のベースプレートと同じサイズの位置決め用の仮部材です。

それでは、改めて基礎配筋の説明です。
まずは、基礎筋を配置する為の「段取り筋」を流します(赤矢印の鉄筋)。
このように、加工した鉄筋を段取り筋とする場合、捨てコンと接する部分に“かぶり厚”相当のサビ止めを施します。

さて、いよいよ基礎筋の配筋です。
基礎筋(ベース筋とも言われます)は、リストによると、D16をX方向に7本、Y方向に7本となっています。3次元モデルにすると下のようになります。(マウスで動かせます

3次元モデルを動かしながら良く見ると、基礎筋(紫色の鉄筋)の一部が杭頭補強筋に当たっているのが分かります。(マウスのスクロールで拡大・縮小も可能です)
このような場合は、どちらかを動かす必要がありますが、この他に基礎梁の主筋などが干渉する事もありますので、何をどう調整するかは総合的に判断します。

続いて、基礎筋に被せる形ではかま筋をD13@300で配筋します(赤矢印)。はかま筋はピッチで指示される場合と、本数で指示される場合があります。

最後にはかま筋を連結させるための横材であるつなぎ筋を配筋すると完成です。
下の3次元モデルをご確認下さい。(マウスで動かせます

ちなみに、コンクリートを打った後は、こんなイメージです。(実際は、基礎梁などと一体となります。)